※記事内の社名はリリース発表時点でのものです。
快適な住まいのためのマンション管理
- 雑排水管清掃の重要性について -
キッチンやお風呂、洗面所は毎日使用するため、排水管の汚れがたまりやすい場所です。キッチンは生ゴミや油汚れが多く出てしまい、他の水回りと比べ特に汚れやすくなっています。また、お風呂や洗面所は、髪の毛やほこりが排水管に流れやすく、悪臭や詰まりを起こす原因となります。
そこで今回は、快適な日常生活を維持するため、雑排水管の清掃についてご紹介します。
①マンションの排水管の構造
ご家庭で清掃できるのは排水口の部分までで、その先の排水管には手が届きません。そこで、本格的な排水管清掃は、専門の業者に依頼し行うことになります。マンションでは、管理組合が雑排水管清掃を定期的(年1回程度)に実施しています。
マンションの排水管は、トイレの排水をする汚水管と、キッチンやお風呂、洗面所の雑排水管に分かれた構造になっています。
このタイプの排水管は、キッチンやお風呂、洗面所の排水が、住戸内の排水口から1本の共用の雑排水管に集められ、マンションの外へ運ばれていきます。そのため、ある住戸から流されたものによって排水管が詰まると、他の住戸へ逆流してしまう恐れがあります。
最上階から何戸もの排水を1本の排水管に集めるため、雑排水管清掃は欠くことができない重要な作業といえます。
②雑排水管清掃の目的
雑排水管清掃の主な目的は、次のとおりです。
【排水管の詰まり防止】
キッチンの排水とともに流される油脂分や食物のカス、お風呂の排水に含まれる髪の毛などが管内に付着し、それが蓄積して詰まりの原因となります。
【排水管内の衛生保持】
管に付着したゴミなどは時間の経過とともに化学反応を起こし、硬化して管をふさぐことがあります。
また、菌類を繁殖させ、臭気やガスが発生し住戸内の衛生を脅かす原因になります。
【排水管の劣化防止】
管の種類によっては、サビが管を侵食し、劣化を早めてしまうことがあります。サビは水漏れの原因になったり、水を濁らせてしまう場合もあります。
雑排水管清掃は、こうした詰まりや劣化などの不具合を未然に防ぐために行います。
③雑排水管清掃の方法
マンションの雑排水管清掃は、排水管の中に洗浄ノズルを挿入して高圧をかけた水を流し、管の内側の油汚れやヌメリをはがすようにして落とす洗浄方法です。通常は下の階から上の階へ進んで洗浄していきます。
上の階から下の階へ進んでいくと、排水管の汚れが下の階に集まり、排水管が詰まって、下階の住戸内の排水口から汚れた水が逆流する恐れがあるからです。
④雑排水管の定期清掃にご協力をお願いいたします
雑排水管清掃は全戸一斉に行い、住戸内での作業となるので、在宅・立ち会いが必要となります。
また、雑排水管清掃の日は、玄関から洗浄ホースが引き込まれるので、通路になる床、キッチンやお風呂場、洗面所などの周りに置いたものを片付けておくと作業がしやすくなります。
⑤生活排水の汚れを減らしましょう
定期的なメンテナンスを行っていても、誰かが汚れのひどい水を流し続けると、確実に管の口径は狭まり、詰まりにつながることになります。
下記の通り、生活排水の汚れを減らすことについても、一人ひとりのご協力をお願いします。
キッチンの流しにはゴミを流さない
生ゴミは細かく砕いても詰まりの原因となります。排水口に水切り袋や古いストッキングなどを付けて、ゴミを流さないようにしましょう。
排水口に油を流さない
油は排水管の中でヘドロと混ざって硬化し、詰まりの原因となります。フライパンや食器は、付着した油を拭き取ってから洗うようにしましょう。
お風呂場、洗面所では髪の毛を流さない
髪の毛は水に溶けないため、ヘドロなどに絡まり、管が詰まる原因となります。
髪の毛を流さないように気をつけましょう。
トイレには流せる素材以外は流さない
トイレは水流が強いため、物を落とすとかなり先まで流され、取り除くのが大変です。実際におむつやおもちゃを流してしまい、汚水管が詰まる事案が発生しています。
トイレにはトイレットペーパーなど流せる素材以外流さないようにしましょう。
快適なマンション生活を送るためにも、排水の汚れを減らす工夫をしながら、人にも環境にも優しいマンションを目指しましょう。